バイセルと買取プレミアムを運営するバイセル本社に持込買取に伺い、その際に高額買取のポイントをたくさん聞いてきました!とても親切に細かく教えていただいたので、査定を考えている方はぜひ参考にしてください。
査定前
今回伺った東京本社の入り口はとってもきれいでした。
ビルまでは少し迷いやすかったですが、エレベーターを出てすぐにこのロゴが見えたので分かりやすかったです。
査定してもらったのはこういったお部屋。全体的にとてもおしゃれです。
まずは査定前に、バイセルについてパンフレットで説明を受けます。
ひと通り説明してもらったら、さっそく査定です。
こちらの着物と帯を参考に、査定時のポイントを教えていただきました。
帯の査定ポイント
まずは帯から。帯は
- 証明書があるか
- 落款(らっかん)があるか
- 柄や目立つ位置に汚れが無いか
- 折りしわが無いか
のポイントを見ていきます。
証明書があるか
証明書と落款が揃っており、汚れも折りしわも少ない帯はかなり良いもので、なかなかのお値段になるとか。
落款(らっかん)があるか
落款は画像の位置などにあり、落款があることで質が良いものの証明になります。
画像の帯にはありませんでしたが、もし赤丸の部分に落款があればより値段が上がったそうです。
また、こういった夏物の着物や帯は春あたりに売りに行くと需要と供給がかみ合い、一年の中でも査定額が高くなる可能性があります。
柄や目立つ位置にシミや汚れが無いか
画像の部分にあるようなシミは目立ちにくい場所で、目立つ場所にあるシミよりは査定額に影響は少ないそうです。
折りしわが無いか
帯は結ぶものです。たくさん使っているとその分折りしわがついてしまい、査定額に影響してきます。
着物の査定ポイント
着物の査定では主に
- 着丈の長さ
- 裾や袖や衿など汚れやすい場所の汚れやシミ
- 着物の色
- 証紙や証明書や落款があるか
- 紋があるかどうか
- 亀甲の細かさはどうか
このようなポイントを見ます。
着丈の長さ
まずは長さを測ります。
最近の日本人の平均身長の高さや、外国人の方への需要もあり誰でも着れる長さの着物の方が高く査定されます。
大体たたんでいる状態で80cmあれば充分で、60cmくらいのものだと、かなり価格が下がってしまうそうです。
裾や袖や衿など汚れやすい場所の汚れ
また、裾や衿など汚れやすい部分が汚れていないかもチェックします。
やはり、裾は地面に近いため、襟元も汗やお化粧で汚れやすくなっているそうです。振袖の場合は一番汚れやすいのが袖部分。そのため振袖は袖もよくチェックします。
柄部分や見えてしまうところのシミの方が、着ているときに見えないシミに比べ価格を下げる原因となります。
着ているときにヒラリとしたら見えてしまう場所もNG。逆に、替えられるような場所のシミはあまり査定に響きません。
衿部分は金具の錆が生地についていないかもチェックします。
着物の色
以外だったのは、着物の色です。同じ柄、同じ状態の着物でも色が違うと査定額も変わります。
着物を良く着るのが40~50代以上の方が多く、淡いピンクやオレンジなどの色に比べ藤色など落ち着いた色が好まれるそうです。そういった色の着物は需要が多いため、その分買取価格が上がります。
証紙や証明書や落款があるか
帯でもそうだったように、着物でも証紙や証明書や落款は重要です。
画像の位置に落款があるため、この部分をチェックします。
また証紙があるかどうか、内側に画像のようなタグがあるかどうかでブランド物の証明になります。もし証紙が無い場合は2,000~3,000円の価値があるものでも100円になる可能性があります。
紋があるかどうか
画像のように紋があると少し価格が変わります。
画像の紋は一つ紋で着物と同系色なのであまり目立ちませんが、黒留袖のように紋の数が多かったり色が目立ったりするとかなり査定に響き、価格がつけられないことも。
亀甲の細かさはどうか
織の細かさである亀甲の数も査定のポイントになるそうです。
80、100、160とあり、160亀甲の方が80よりも細かく、工程がかかっているためその分高くなります。
もし同じような状態の結城紬を査定した場合、より亀甲が細かい方が高い金額が付きます。
画像は亀甲が異なる着物の比較です。丁寧に説明してくださったのですが素人目ではじっくり見ないと分かりません…。
これらの特徴をパッと見極める査定員さんたちの目には驚きです。
査定に響くかも!?気を付けたいポイント
- あまりにもひどい臭い
- 目立つ場所のシミ、しわ
- 需要の少ない短い丈や明るい色の着物
- 柄同士がくっついてしまっているもの
- 正絹以外の素材
- 和装小物や長襦袢一点のみの査定
- 証紙や証明書、箱の無いもの
- 時期の合わない着物
あまりにもひどい臭い
基本的に臭いは査定に響かないそうですが、あまりにも臭いがひどい場合は価格が下がることもあります。
たんすの防臭剤などの臭いはついていてもあまり関係ないようです。
目立つ場所のシミ、しわ
査定のポイントでも説明したように、目立たない場所にあるシミしわよりも、目立つ場所にある方が査定に大きく響きます。
ただたんすにしまっているだけでもシミやカビはできてしまうので、眠っている着物は早めに査定に出した方が良いでしょう。
需要の少ない短い丈や明るい色の着物
こちらも先ほど説明しましたが、たたんでいる状態で60cmの着物は価格がつけられないことがあります。近年の平均身長が高いため、あまりにも短い着物は大きく価格を下げてしまうので気を付けてくださいね。
柄同士がくっついてしまっているもの
たたんでいたトレーナーのプリント部分同士がくっついてしまっているのを見たことがありませんか?
着物でも同じように、ずっとたたんでしまわれていた着物の柄同士がくっついてしまうことがあります。査定時に気が付く方が多く、丁寧に剥がしていくそうですが、もし柄がはがれてしまったらその分査定に響きます。
正絹以外の素材
基本的に価格が付くのは正絹(しょうけん)と呼ばれる絹の素材でできた着物だけです。
ただ、ブランド物であれば化繊でできた「洗える着物」なども査定対象になります。
和装小物や長襦袢一点のみの査定
和装小物は使用感が出てしまったりブランド物もあまりないため一点の査定は難しく、着物とまとめて査定してもらうのがおすすめです。
長襦袢も刺繍が入ったブランド物ならいいですが、基本的に下着扱いになってしまうので難しいそうです。
証紙や証明書、箱の無いもの
どれも着物の価値を証明する大事なものです。特に箱は場所を取るので捨ててしまう方もいるようですが、売る時に価格がかなり変わってくるので捨てないようにしましょう。
証紙などの有無で数千円も変わってしまいます。
時期の合わない着物
普通の着物はいつの季節でも問題ありませんが、夏物の着物は業者的にも春頃がいちばん需要があるそうです。夏物は夏が来る前に売るのが吉。
さらに、夏場は査定する方が少なく、秋ごろから増えるそうです。
査定は需要も見て価格が付くため、こういった時期的なものも見ていくと良いでしょう。
査定にはあまり関わらないポイント
- 仕付け糸
- たとう紙
バイセル・買取プレミアムの買取りにおいては、仕付け糸もたとう紙もあまり査定には響かないそうです。
というのも、仕付け糸はクリーニング店が付けることもあり、必ずしも未使用品とは限らないから。また、たとう紙も保存のための物であり特に価格には関係ないそうです。
だからと言って必ず捨てたり外したりする必要はありません。
査定額は専門チームとのすり合わせで決定
査定員が細かいポイントを目で見たあと写真に収め、時期的な流れやより細かい専門知識を持った各ジャンルの専門チームと共有します。そこで価格をすり合わせて査定額が決まります。
査定が終わったら…
査定がすべて完了したら改めてクーリングオフの説明を受け、必要な書類に署名します。
バイセル・買取プレミアムの気になる点
査定の中で気になった点を質問させていただきました!
査定に来るのはどんな人ですか?
40~50代以上の人から20代の人まで、意外と幅広い世代が売りに来るそうです。
持込でも出張でも複数点の査定を依頼する人が多く、出張だとたんす単位で査定をすることがあるとか…。
価格に不満を持つ人はいますか?
黒留袖などは、元値が高いものも多く、それなのに紋や需要の問題で価格が低くなりその差にショックを受ける人も多くいます。
最近は結婚式も洋装で参加する人が増え、着るとしてもレンタルでという流れになってきてしまい、黒留袖の需要が減っています。
査定員の方はどんな勉強をされているんですか?
新卒も中途も入社したら各ジャンルの勉強から始まり、研修を受け同行を重ね、買取の各ジャンルを合格できたら一人で査定に行けます。
定期的にフォローアップもしており、毎朝の小テストも行われているため常に情報はアップデートされています。
また、買取のポイントを全ジャンル抑えた査定員のため突然「着物以外に切手も」と査定をお願いすることもできます。
各ジャンルにはそれぞれ最新の知識や流行、流通などを抑えた専門のチームもいるため、査定員とチームが連携することでより的確な査定ができています。
バイセルと買取プレミアムとふたつのサービスを運営されていますが、何か違う点はありますか?
どちらかというと買取プレミアムの方が高齢の方に向けたサイト作り、といったぐらいで、基本的に同じです。査定員の方も同じなので水準は変わらず、どちらのサービスでも質の高い査定ができます。
バイセルも買取プレミアムも高水準な質の良い買取サービス!
査定時のポイントを丁寧に教えてくださり、今まで知らない事がたくさんあったなと改めて感じました。買取業者によって査定基準は少しずつ変わるため、「絶対に査定に響かない」とは言えませんが、仕付け糸とたとう紙があまり査定額に関わらないのはとても驚きました。
さらに査定員の方の勉強量にも驚き。各ジャンルの専門チームとも日々情報を共有しているため、時期的なものも考慮して査定ができるそうです。
しっかりとした評価や査定を求めている方にはかなりおすすめできるサービスです。たくさん質問したのに、どれも丁寧に答えていただきありがとうございました!