着物の衿のかたち―広衿、撥(バチ)衿、棒衿

着物の衿のかたちには三つの種類があります。

衿元、衿合わせは着物の着姿で一番目につく場所なので、衿の違いを知っておしゃれに着こなしましょう。

衿の抜き加減や半衿の見せ方で、かわいい雰囲気になったり色っぽさをプラスしたりと印象が大きく変わります。

このページでは、衿の3つの種類と、衿まわりの小物使いについて解説しています。

広衿

広衿は、衿幅を二倍の幅で仕立て、裏には裏地が付いていています。

小紋以外の着物のほとんどは広衿仕立てになっています。

着付けの時には、衣紋(首のすぐ後ろ)の部分は二つ折りにし、前の部分は好みの幅で二つ折りにします。折り目にふっくらとした厚みが出るので、女性らしく美しく着付けることができます。

着崩れが少なく胸の部分がはだけにくいのも、広衿のうれしい特徴です。

着付けの時には、衣紋の衿の部分にはスナップボタンが付いていることがほとんどで、スナップボタンが無い場合は、2~3針で縫いとめて着用しましょう。

撥(バチ)衿

最初から二つ折りにした状態で仕立て上げてあり、衣紋の部分が約5.5cmと細めで、衿先に行くほど約7.5cmと幅が広がっています。

その形状が三味線を弾く時に使うバチに似ていることから、バチ衿と呼ばれています。

厚みがなくて衿元がすっきり涼しげな感じになるので、主に長襦袢や浴衣に使用される衿で、広衿のようにわざわざ半分に折らずに着用できて簡単なので、小紋などの街着にも使用されています。

棒衿

バチ衿と同じように二つ折りに仕立てた衿ですが、衣紋の幅(約5.5cm)が衿先まで続いていてまっすぐなので棒衿と呼ばれています。

女性用の着物に用いることは無く、男性用の着物や浴衣、子供用の浴衣に使います。

その他の着物の衿周りの小物

衿の形状は上でご紹介した3種類ですが、この3種類以外に半衿、伊達衿、比翼という衿元を飾る小物があります。

それぞれを変えることで印象が大きく変わるので、着物の着こなしには大切な要素になります。

半衿

長襦袢の衿の部分につける衿で、白い無地の塩瀬(塩瀬羽二重(しおぜはぶたえ)の略で、経糸を細く、横糸を太くして織った生糸の生地)をつけるのが基本ですが、直接肌に触れるので化粧品や汗で汚れやすく、2~3回着用したら取り外して洗濯します。

頻繁に取り替えて洗濯をするので、年数が経てば黄ばみが出てくる正絹のものは人気がなく、お手入れがラクな化繊の半衿を使われる方が最近は多いです。

夏には絽や紗、麻など夏素材の半衿をつけ、それ以外の季節は塩瀬の他に、縮緬や綸子、ビーズのものを使用します。

刺繍衿や色柄の入ったもの、グラデーションなどいろいろと楽しめますが、フォーマルな場合は白い塩瀬のものがスタンダードです。

豪華に見える刺繍衿も、白地に白や金、銀で刺繍したものはフォーマルにも使えますが、地色が白以外のものは、おしゃれ着などカジュアルな着物に使用します。

伊達衿

伊達衿は、着物の衿の下に付けて重ねて着物を着ているように見せる衿で、重ね衿と呼ばれることもあります。

衿元にボリュームが出て華やかな印象になるので、振袖や訪問着などによく利用されます。

伊達衿にも広衿タイプとバチ衿タイプがありますが、どちらが良いということはありませんので、お好みで使用しましょう。

1~3枚くらいを重ねて使いますが、着崩れしないよう着付け前に、背を中心にして衿の高さよりも1cmほど控えて飛び出ないようにしてから、左右20~30cmほど縫い付けておくか、ピンで留めておきます。

1枚の伊達衿が、胸元では0.5cmほど見えるように着付け、あまり出しすぎないようにしましょう。

比翼衿

留袖は比翼仕立てと言って、衿、袖口と振り、衽の部分に白羽二重の生地が重ねて縫い付けてあり、着物の下に白い着物をもう一枚着ているように見せています。

昔は長襦袢の上に白羽二重の着物、その上に留袖と3枚を重ねて着ていましたが、最近ではこの3枚を重ねているように見える比翼仕立ての留袖がほとんどです。

衿周りも比翼仕立てになっていて、比翼衿は伊達衿のように重ねた衿ですが、着物と一体化した仕立てになっています。

広衿のものがほとんどなので、着物の衿と比翼の衿をそれぞれ縫い付けてから着用します。

まとめ

広衿はほとんどの着物に使用される衿で、バチ衿は長襦袢や浴衣、街着に使用し、棒衿は男性用と子供用の衿の形になります。

衿を抜くとか、衣紋を抜くと言って、首の後ろの部分を多めに下げて、うなじをたっぷり見せると少し色っぽい着付けなり、控えめな抜き具合だと初々しくフレッシュな印象になります。

着物によって違う衿の形や小物を使い、衿の抜き加減で、着物の着姿の印象が大きく変わります。

衿もとを工夫して、自分だけのおしゃれな着こなしを楽しみましょう。

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