着物は自分のサイズに仕立てて着用することが多いですが、祖父母から受け継いだ着物やアンティークのものを購入したりした時に、どこの何という部分のサイズを確認すれば良いでしょうか?
最近では、MサイズやLサイズ、フリーサイズで仕立て上りの着物も多くありますが、各部の測り方と名称を知っていれば、購入する時の参考にもなります。
このページでは、着物の各部の名称や、サイズの測り方をまとめました。
着物の各部の名称
着物は、前身頃、衽(おくみ)、後身頃、衿(えり)、袖の部位を縫い合わせて仕立て上げてあり、それぞれの部位の箇所を指す名前が細かくあります。
一番重要な部位
- 裄(ゆき)…後ろの衿の付け根の背縫いから袖口までの長さ。
- 身丈…背縫いの長さ。
- 着丈…長襦袢や男性用の着物など、おはしょり無しで着る着物の長さ。
前・後身頃や衽の部位
- 前身頃…前の脇の縫い目(脇縫い)から衽までの部分。前身頃の裾の部分の幅は前幅という。
- 衽(おくみ)…前身頃についている重なる部分の布。衽の裾の部分の幅は衽幅という。
- 衽丈…剣先から裾までの長さ。
- 衽下り…前身頃の長さ(身丈)から衽丈を引いた長さ。
- 合褄幅(あいづまはば)…衿の縫い付けからすぐ下の衽の幅。衽幅より少し短い。
- 剣先(衽先)…前身頃、衽、衿の縫い目が集まる点の部分。
- 衿下…衽の衿先の縫い付け位置から裾までのこと
- 褄先(つまさき)…衿下と裾の角のこと。
- 身八つ口(みやつくち)…女性用の着物に限り、身頃と袖の縫い合わせの下の身頃側にある開いた部分。
- 後身頃…後ろの脇縫いから中心の縫い目までの部分。後身頃の幅は後幅という。
- 背縫い…左右の後身頃をつなぎ合わせた中心の縫い目。
- 肩幅…袖の縫い付け位置から背縫いまでの長さ。
- 衿肩あき…衿を付けるために裁った衿ぐりのこと。
- 繰越し…衿肩あきの衿ぐりの深さのこと。
- 肩山…身頃と袖を縫いつなげている肩の部分。
衿
- 衿…首回りの細長い布のこと。幅は衿幅。
- 掛け衿…衿の中心から生地が重なっている部分。
- 地衿…掛衿より下の部分。
- 衿先…地衿の一番下の部分。
袖
- 袖丈…袖の長さ。
- 袖口…袖の手首が出る部分。
- 袖幅…袖の幅。
- 振り…袖が身頃と縫いつながっていない開いた部分。
- 袖付…袖が身頃と縫い付けてある部分の長さ。
裏地
- 胴裏…袷の着物の裏地にあたる背中や胸周りにくる白い布。
- 裾回し…袷の着物の裏地で腰から下の裾のまわりにある布で、八掛(はっかけ)の部分。
- 居敷当て(いしきあて)…単衣の着物につけるお尻の部分を補強する布のこと。
着物のサイズの測り方
着物の一番重要な部位のサイズを測るだけで、着物のお仕立てはできます。
- 裄…手を地面と平行になるように広げ、首の後ろのポコっとした背骨から手首までの長さを測ります。必ず腕の付け根の部分を通過して測りましょう。
- 身丈…自分の身長を身丈とするのが基本ですが、お好みで身長より-5~+5cmの間であれば大丈夫です。
- 着丈…首の後ろのポコっとした背骨からまっすぐ下に降りたかかとまでの長さを測ります。
購入する時のサイズの確認
特に、アンティークの着物を購入する時には、裄と身丈をよく確認しましょう。
昔の方は現代の人よりも小柄な方が多いので、全体的にサイズが小さいこともあります。
小紋などの街着であれば、多少裄が短くてもあまり気になりませんし、身丈は最大で自分の身長よりも-10cmで、ギリギリ着用が可能です。
袖幅や袖丈が自分の長襦袢と同じ寸法だと、袖の振りから長襦袢が見えず、きれいな着こなしになります。
着物のサイズは買取にどう影響するか
着物の買取のとき、サイズは生地の素材や柄の人気とともに重視されていて、極端に小さいサイズは着物ではなく、はぎれ扱いになってしまうこともあるようです。
着物は洋服のようにぴったりなサイズでなくても、きれいに着用することができます。
ただ、それでも小さすぎるものは、おはしょりが取れなかったり、衽(おくみ)が隠れなかったりするので着用ができません。
極端に小さいものは生地の長さが足りず、仕立て直しをすることもできないので買取価格に大きく影響してきます。
逆に大きい着物は、余った部分をきれいに収めるように着付けができますし、仕立て直しもできるので、価格は大きいものの方が高くなることが多いです。(参考:着物を高額買取してもらうために絶対おさえておきたい10個の条件)
まとめ
着物の各部の名称は、普段聞き慣れない着物特有の名称で覚えにくいかもしれませんが、裄や身丈、着丈がわかっていれば売る時にも買う時にも戸惑うことがなくなるかと思います。
売る時は、着物に詳しい専門業者に、サイズのことも含めて丁寧に査定してもらいましょう。
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