かつて喪服は嫁入り道具のタンスに入れて持たせたものですが、現代では葬儀社などでレンタルを用意しているところも多く、不要になることも多いです。洋装にすることもできるので、祖母や母の喪服を売りたいというケースは少なくありません。
喪服を売りたいと思ったときはどこに売れば良いのか、相場や高価買取のコツなどをまとめました。
喪服とは
喪服とは喪中またはその行事に着用する儀礼服の総称です。第一礼装に位置付けられていて、五つ紋が最高の格式です。黒または白一色で柄は全くないため、染めと生地の優劣がはっきりとわかってしまう着物でもあります。
法事などでグレーなどの無地に黒の帯をしている姿を見ますが、黒以外の着物はグレーであっても喪服ではなく、「色無地(いろむじ。「色喪服」と呼ぶ地域もある)」という準礼装にあたります。
喪服にあわせる小物
喪服は帯や帯締め、帯揚げ、草履と、黒(白)一色で揃えます。帯どめや根付などは付けません。
帯や帯揚げにも夏冬それぞれ素材が違いますが、表面と裏面で夏冬締められるような帯など、兼用できるものも増えてきています。
喪服の紋
女性は嫁入り前に実家の家紋が入った着物を嫁ぎ先に持っていくという風習があります。
箪笥と同じく嫁入り道具の一つとされていましたが、最近は和装と洋装が半々になってきており、家紋の入った着物を持って行く人は減ってきています。
女性の喪服の紋は、嫁ぎ先の紋、実家の紋、または母方の紋を代々継承するなど、諸説あり、かつて女性の地位が相対的に低く、女紋に対する意識も低かったためです。
紋の数は着物の用途によって異なっていて、一つ紋、三つ紋、五つ紋の3つがあり、数が多いほど格が高くなります。
紋の数 | 紋を入れる位置 | 用途 |
---|---|---|
一つ紋 | 背紋:1 | 男性:略礼装全般 女性:色留袖、訪問着、色無地、絵羽羽織、黒無地羽織、四つ身、江戸小紋 |
三つ紋 | 背紋:1 袖紋:2 | 男性:準礼装全般 女性:色留袖、訪問着、色無地、絵羽羽織、黒無地羽織 |
五つ紋 | 背紋:1 袖紋:2 抱き紋:2 | 男性:第一礼装全般 女性:留袖・喪服 |
紋つきの着物は買い取ってもらえない店もあるのですが、後述のように、喪服でも取り扱ってくれる専門店もあります。
喪服を売るならどこがいい?
喪服は家紋が入っていたり、買い手が少ないことからどこでも売れるものではなく、買取NGということも少なくありません。
当サイトで人気の買取店でも、喪服を取り扱っていない所があります。実際に売りたいと思ったときはどこに売るのが良いのか、調べてみました。
リサイクルショップ
着物の買取をしているリサイクルショップでも喪服は引き取りを断るお店が多いです。喪服には紋が付いているので、オーダーメイド品として扱われるためです。リサイクル着物店も同様です。
買取してもらえるかどうかは一店一店確認する必要があります。ネットの着物買取店と違い、出張買取や宅配買取に対応していない店が多いため、電話で喪服を取り扱っているか確認してからお店に持ち込む必要があります。
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ネットオークション/フリマアプリ
ネットオークションやフリマプリでは実際に相当な数の喪服が出品されています。ネットオークションやフリマアプリは実際に喪服を見ることができず、写真で判断しなくてはいけないので、サイズや状態の注意書きを細かく記載する必要があります。いろいろ手間がかかる上に、個人間の取引なので落札後に「思っていたものと違った」「シミがあった」などクレームが来ることも多く、自分で対処しなければいけません。
喪服に必要な紋の記載がないものが多く、質問にある程度答えられるぐらいの知識がないと落札にはつながりにくいです。
手間や知識が必要になりますが、うまくいくと自分のつけた値段でそのまま売ることもできます。
着物買取専門店
上記の他に着物買取専門店があります。売る側が荷造りをしなくても済む出張買取を中心に、宅配買取も行っています。インターネットから手軽に申し込めるのでとても便利です。
着物買取専門店は、国内はもちろん海外にも広い販路を持っていて、喪服も買い取ってくれる店があり、実際ホームページにも喪服も査定対象と記載されています。
ですがリサイクルショップがそうであるように、着物買取店も喪服を断るお店が少なくありません。当サイトで紹介している中にも喪服を取り扱っていない店もあり、バイセルや買取プレミアムは喪服に対応していません。
買い取ってもらえる店が限られてしまいますが、専門店では着物のプロの査定員に専門知識で査定してもらえて、きちんと価値を値段に反映してもらえるのが魅力です。
喪服の買取相場について
喪服の買取金額は実際いくらぐらいなのでしょうか。また、査定するときのポイントなどがあるのかどうか、調べてまとめてみました。
買取金額がアップするポイント
まず第一に、シミや変色がないことです。
とくに喪服は着る機会が少ないわりに天候や場所を選ぶことができないので、袖口のカビや裾の泥はねがシミになりやすいうえに、黒は濃色の中でも最も色褪せしやすく、経年劣化により全体的に色あせてきます。これらが極力少ない喪服が高評価につながります。
また、大手百貨店や老舗呉服店で購入した喪服はそれだけで品質の保証になるので、証紙などはぜひ探しておきましょう。
実際の買取価格は300円から1,000円以上
喪服は古いものが多かったり、状態の良いものが少なかったりと、他の着物と比べて高額になりにくく、300円から1,000円が相場です。
実際の買取例は下記のようになります。
69,000円の正絹喪服(一越縮緬・袷・仕付けあり) | 1,700円~ |
---|---|
30,000円の正絹喪服(袷・ほぼ未使用) | 1,000円~ |
30,000円の正絹喪服(袷・状態良) | 700円~ |
喪服を買い取ってくれるおすすめ店
喪服はどうしても色の劣化やシミの補正が必要になるため、なかなか高額にはなりません。状態が良いものは1,000円を超える場合もありますが、販路不足から喪服自体を扱っていない買取がほとんどです。売りたい場合は喪服を取り扱っているかしっかりと確認しましょう。
当サイトで紹介しているお店の中では、久屋と着物10(旧ヤマトク)の2店が着物に関する全般を取引しています。他のお店では喪服を取り扱っていないため、どうしても売りたいという場合はこちらの2店がおすすめです。
また、喪服以外の着物や小物類を買取に出したいという場合はこちらのおすすめ店をご覧ください!
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