作家物とは人間国宝や伝統工芸士、デザイナーなどによって作られたオリジナル作品です。成人式用に買ってもらった振袖だけどもう着ることはない、譲り受けた作家ものがあるけれど保管する場所がない、などの理由で売られることも少なくないです。
作家ものの着物を売りたい場合にどこで売るのがよいか、買取相場はいくらなのかについてまとめました。
作家ものの着物とは
一般に作家ものと呼ばれるのは、着物の世界で活躍している人の作品です。人間国宝や伝統工芸士など技術を認められた場合や、着物をプロデュースしているタレントさんなども含まれるので一口に作家ものといってもケースバイケースです。
代表的な作家名や特徴をご紹介します。
久保田一竹
着物の世界で巨匠と呼ばれているのは、世界的に有名な着物作家の久保田一竹です。辻が花の第一人者で、室町時代に作られ江戸時代に姿を消してしまった辻が花を、伝統技術に独自の技法を加え再現しました。
繊細で絵画のような作品は、フランス芸術文化勲章シュヴァリエ章や文化庁長官表彰を受賞し、パリやニューヨーク、ベルギーなどの美術館や博物館で個展を開催、海外でも評価が高く人気です。代表作の音(富士山夕立の後の富士)は3億円の値が付いたことでも話題となりました。
由水十久
加賀友禅を代表とする作家といえば由水十久です。加賀友禅は草花模様が一般的ですが、人物をモチーフとして中でも代表作とされる童子は躍動感にあふれ愛らしくストーリー性があるのが特徴です。童子一体が数百万円以上の価値があるとされ2千万円以上の訪問着も珍しくありません。
木村雨山
現代加賀友禅の第一人者は木村雨山です。伝統的な加賀友禅の絵画的ぼかしに、濃淡を施して独自のぼかし技法を作り上げました。
現在、多くの弟子や孫弟子が加賀友禅作家として活躍しているので、持っている訪問着が木村雨山のお弟子さんの作品ということはじつは多いです。
松井青々
京友禅の第一人者とされる松井青々は、たたき染めの技法が有名です。植物の色素で布を染めて、地色に松竹梅などの縁起物を描いたうえに金箔の技法を施した青々調と呼ばれる華麗な作品は人気です。
その他の作家
バブル時代は高い着物が飛ぶように売れたので、一般の家庭でも200万円、300万円以上の着物を買い求めたのですが、今はタンスに保管されているのが現状です。
作家とされるのは、何も人間国宝や伝統工芸士ばかりではありません。
藤井寛は皇室献上作家と呼ばれ、華やかな中にも上品さがプラスされ色合いは皇室だけではなく一般の女性の間でも評判が高いです。しかも比較的手頃な価格で買える作品もあります。
着物をプロデュースしている芸能人も数多く、その中のひとり松田聖子の作品は、現代的で斬新なのが魅力です。訪問着の他にも七五三の着物は、華やかな色と可愛いデザインが子どものお祝い着として好評です。
作家ものの買取をしてくれるのはどこ?
著名な作家の着物を譲り受けても、サイズが合わなければ着ることができません。価値のあるものほど保管にも気を使い負担になってしまうので、着る予定がないのであれば状態の良いうちに売ってしまいましょう。どこで売るとよいかまとめてみました。
ネットオークション
自分でオークションサイトに登録して、好きな値段がつけられるので、オークションが一番高く売れると考えるかもしれませんが、じつはオークションで売るのは難しいです。今までサイトを使っていなければ実績や信用がないので高いものほど敬遠されます。しかも個人から数十万円以上の買い物をしようとする人はめったにいません。買い手がつかなかったり、慣れない作業に労費してしまいます。
リサイクルショップ
通常、名高い作家の着物は独自の技法を凝らした作品が多く高額となりやすいですが、店舗の家賃や人件費が必要なリサイクルショップでは思いのほか安く査定されてしまいもったいないです。
リサイクルショップで着物を売ったら価格は…!?体験談はこちら≫
インターネットで申し込める着物買取専門店
インターネットの着物買取の専門店は、手間がかからないので便利なうえ、無料で着物の査定に精通したプロに鑑定してもらえるメリットがあります。
着物は持ち運ぶと重くかさばるので、自宅に鑑定士が来てくれたり宅配査定のサービスがあるのは楽です。また、人間国宝の一点ものなど希少価値の高い作品も着物のプロにお任せするだけで、価格の説明をしてくれたり他で売るより高値がつきやすいです。
作家ものの買取相場
いくら高価といわれる着物でも、着ないのならタンスのこやしになってしまうだけです。着ない作家もので扱いに困っている場合は早めに買取をしてもらうと保管の手間が省けます。作家ものを買取してもらう場合の相場についてまとめてみました。
証紙や桐箱と一緒に売る
作家ものと呼ばれるだけで一般の人になじみがなくても高額になりがちです。作品に落款がついているのが特徴で、着物は作るのに手間が掛かるのであまり贋作は出回りませんが、証紙や桐箱などがある場合に一緒に売ると安心感が出るので価格がアップしやすいです。
また、価値の高いものでも保管状況が悪ければ値が下がってしまいます。絹は着心地が良い反面、とてもデリケートな素材なので湿気や虫食い、紫外線による劣化には注意が必要です。
実際の作家ものの買取価格は15,000円~700,000円以上
人間国宝の作品の中には、手に取ることはもちろん見ることすら叶わなかった幻の着物も存在します。
大変貴重で芸術的価値の高い作品は、買取価格が数百万円となることも多く初代ほど高額査定が期待できます。 一方で、無名な作家や芸能人のデザインしたものは売るときはあまり高値がつかないです。
作家ごとの買取例は、たとえば下記のようになります。
8,000,000円の正絹 (久保田一竹)辻が花振袖 | 700,000円~ |
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7,000,000円の正絹(木村雨山)加賀友禅留袖 | 550,000円~ |
7,000,000の正絹(由水十久)加賀友禅訪問着 | 500,000円~ |
6,000,000の正絹(松井青々)京友禅刺繍振袖 | 500,000円~ |
4,000,000の正絹(羽田登喜男)友禅訪問着 | 450,000円~ |
2,500,000の正絹(北村武資)経錦紬 | 220,000円~ |
1,500,000の正絹(森口華弘)蒔き糊友禅訪問着 | 150,000円~ |
1,400,000の正絹(柿本市郎)加賀友禅訪問着 | 150,000円~ |
作家ものを売るなら着物買取の専門店
高名な作家の作品は、芸術性の高い作品も多く、絵画を売るようなものです。目利きのプロなら一ケタ以上価格が上がることもあるのでしっかりと査定してもらわないと損をしてしまいます。
必ず専門の業者に依頼をして、着物に精通したプロにきちんと価格をつけてもらいましょう。
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