フィナステリドとプロペシアの違いって何?
AGA治療薬として有名なプロペシアを知っていますか?プロペシアについて調べると、必ずと言っていいほどフィナステリドの名前が出て来ます。
極端な説明をしているものには、プロペシアはフィナステリドであると解説しているものすらありますよね。それではプロペシアとフィナステリドは名前が違うだけの同じものなのでしょうか?
疑問を抱いてはいるけれど、今更確認するのもなんだか恥ずかしいと思っている方。また、なんだかややこしくて理解しにくいと思っている方のために、わかりやすくプロペシアとフィナステリドの違いについてご説明します。
知らないことを理解するのはとても大切なことです。特に自分が使う薬についてはきちんと理解しておくべきです。この機会にぜひ覚えてください。
フィナステリドとプロペシア
まずは簡単にプロペシアとフィナステリドの関係を表すと、プロペシアはフィナステリドという成分を含んだAGA用の治療薬です。アメリカのメルク社がフィナステリドのAGAに対する効果を検証し、治療薬として製品化したのがプロペシアという訳です。
ではなぜプロペシアとフィナステリドがイコールではないのかというと、錠剤のプロペシアにはフィナステリドがわずかしか含まれていないからです。
フィナステリドはAGAに効果がある成分なのだから多いほうがいいのでは?と思うかもしれませんが、そうではありません。薬も過ぎれば毒となってしまう場合があります。一般的にいう副作用がそれに当たりますね。
製品化されたプロペシアでは、副作用を抑え、AGAに対する治療効果が高い配合量が考えられています。しかしそうなると錠剤の中の有効成分であるフィナステリド以外の部分がどうなっているのか気になるのではないでしょうか。
錠剤の成分の大半は、結晶セルロース、乳糖水和物、部分アルファー化デンプンなどの、身体に大きな影響を与えない添加物となっています。飲みやすいようにコーティングの役割を果たしているのです。
【関連記事】
→「プロペシア」の効果や副作用など基礎知識まとめ
AGA治療に有効な成分フィナステリド
次に、AGA治療に有効であるとされるフィナステリドという成分はどのような効果があるのかをご説明します。フィナステリドの効果について説明するには、まずAGAで薄毛になるプロセスを知る必要があります。
AGAの原因となっているのは、男性ホルモンのテストステロンが強化されたジヒドロテストステロンです。このテストステロンをジヒドロテストステロンに強化するのが5α-還元酵素と呼ばれる酵素であることがわかっています。
フィナステリドは、この5α-還元酵素の働きを阻害する成分なのです。つまりAGAの原因となるホルモンを生成させないように、5α-還元酵素を阻害する作用を持つのがフィナステリドなのです。原因を元から断つので、AGAに効果が高いのですね。
【参照記事】
→Collect.プロペシア錠(フィナステリド)とは?AGA治療の効果や副作用を紹介
フィナステリドを使ったAGA治療薬はプロペシア以外にも存在する
フィナステリドを配合したAGA治療薬のさきがけとして登場したプロペシアですが、その効果的な成分を配合した他の治療薬も挙げてみましょう。実はプロペシアの特許は本来まだ切れていません。
普通は特許が切れるまでその成分や配合率などを使った製品は作れないのですが、プロペシアの正規コピー品であるジェネリック薬剤はすでに発売されています。それが日本ではプロペシアと同じように厚生労働省認可となった「ファイザー」です。
ファイザーはアメリカの大手製薬会社であるファイザー株式会社の製品で、2015年に日本で認可を受けています。特許の有効期間中のジェネリック製品化は珍しいのですが、メーカー同士でなんらかの取引があったのではないかと考えられています。
ともあれジェネリック製品であるということは、プロペシアと同じ成分が含まれていて、やや割安な価格となります。実はプロペシアのコピー品には他にインドから発売されているものがいくつかあります。
インドの場合はファイザーとはまた違って、薬の特許関係が他の国と異なっているので、そのようなことが可能となったのです。他にフィナステリドを利用した有名なAGA治療薬には、台湾FDA(食品医薬品局)認可薬のラムダグローがあります。
こちらは日本では非認可なので輸入品としての入手となりますが、プロペシアと違って、フィナステリドだけでなくミノキシジルも配合された製品です。ミノキシジルもAGAに効果がある成分として有名ですね。
【関連記事】
→AGA治療薬の種類・選び方・費用・副作用まとめ
おわりに
フィナステリドとプロペシアの違いについて理解していただけたでしょうか?製品名であるプロペシア、有効成分であるフィナステリド、と覚えていただけたら大丈夫でしょう。
クリニックで内服薬として渡される場合にはプロペシアとして処方されるので、わざわざフィナステリドの名前を覚える必要はありません。しかし、先に紹介したように、有効成分であるフィナステリドを使った別のAGA治療薬もあります。
また、今後特許が切れた後にはどんどん新しいものが発売されるでしょう。その場合にはフィナステリドの成分名を覚えておくと、その薬がどのように作用するものであるかがわかりやすくなります。
自分の症状や医師の診断によって薄毛の原因を特定した際、どんな治療方法がふさわしいか考えるときにきっとその知識が役立つはずです。