AGA治療薬の種類・選び方・費用・副作用まとめ
AGAの治療には長い時間とそれに付き合ってゆく根気、そしてお金が必要になります。
いざ治療を始めようとしても、どの薬が良くてどのくらいお金が掛かるのか分からないという方が多いのではないでしょうか。
今回は治療薬の中でも代表的なフィナステリドとミノキシジルを中心に、AGA治療薬にはどんなものがあり、どのように選べば良いのか、治療に掛かる費用などについて紹介します。
AGA治療薬の種類
現在国内のAGAクリニックで使用される治療薬は「外用薬」「内服薬」「注入薬」の大きく3種類に分けられます。
「外用薬」はいわゆる「発毛剤・育毛剤」のことを指し、医師の処方せんがなくても薬局で購入できます。
「内服薬」は飲み薬で医師の処方せんが必要です。
「注入薬」は「HARG療法」や「メソセラピー」という治療法で使われるもので、自身の細胞から取り出した「毛髪再生因子」や育毛に有効な成分をブレンドした薬を頭皮に直接注射します。
また、AGA治療薬は含まれる有効成分によっても大きく分けられ、一つは脱毛を抑止する成分であるフィナステリドやデュタステリドを、そしてもう一つは発毛を促進する効果のある成分ミノキシジルを含むものがあります。
1.フィナステリド・デュタステリド
フィナステリドを含むAGA治療薬として最も有名なのが、「プロペシア」です。育毛剤ですが、錠剤で飲む内服薬です。AGAは男性ホルモンの一種であるテストステロンが、「2型5αリダクターゼ」という酵素によって「ジヒドロテストステロン(DHT)」という強力な男性ホルモンに変化することで起こります。
フィナステリドには、この「2型5αリダクターゼ」の働きを邪魔する作用があります。この作用によって、DHTの量が減り、薄毛の改善につながります。
2015年9月28日に認可されたばかりのデュタステリドにも「2型5αリダクターゼ」の働きを邪魔する作用があり、さらにフィナステリドでは抑制できない「1型5αリダクターゼ」の生成を抑える作用もあるため、フィナステリドが効かなかったという方でもAGAの進行を止める効果が期待できます。
現在国内で販売されているフィナステリド配合のAGA治療薬は、前述した内服薬の「プロペシア」で、デュタステリド配合の治療薬は「ザガーロ」です。
2.ミノキシジル
髪の毛は「毛周期」というサイクルを繰り返しながら生え変わります。AGAが発症してしまうと、毛周期のうちの「成長期」が短くなり、毛が十分に育たないために薄毛になってしまいます。
ミノキシジルには、毛の根元にある「毛包」という部分の毛乳頭細胞を刺激して、毛を作る「毛母細胞」を活発に働かせる作用があります。この作用によって再び髪を十分に成長させ、薄毛を改善します。
また、他にも毛母細胞が減るのを抑えたり、毛細血管を拡張して血流を良くしたりといった作用もあります。
ミノキシジルはもともと高血圧症の治療薬として開発されたもので、副作用として多毛症が発見され、AGAの治療に転用されたという背景があります。
現在日本で販売されているミノキシジル配合のAGA治療薬は、外用薬の「リアップ」シリーズです。
ミノキシジルタブレットと呼ばれる、より強い効果を持つ内服タイプの薬もあります。しかし、外用薬と比べて副作用のリスクが高いため、基本的には処方されないものと考えましょう。
AGA治療薬の選び方
まずはAGAクリニックで専門医に相談しましょう。自分の状態や薬について何も知らないまま市販のAGA治療薬を購入するより、AGAのスペシャリストである専門医から、自分に合った薬を処方してもらう方が確実な効果が望めるため安心です。
もし治療費をどうしても抑えたい場合には、専門医にジェネリックのものが無いか尋ねてみましょう。
自分の症状に合ったものを
先述した通り、薬によって作用は変わります。効果が高いからといってそれが自分に合うとは限りません。薄毛の状態や抜け毛の進行具合も人によって異なりますので、適した治療薬も異なってきます。
症状が軽度の場合
・細く短い抜け毛が気になりだしたが、まだ目立つほどではない
まだそれほどAGAが進行していない場合、フィナステリドの使用によって脱毛を抑えるだけで十分でしょう。フィナステリドを単体で使用した場合、個人差はありますが、効果を実感するまで最低でも3~4カ月、平均で6カ月はかかるといわれています。
症状が進行している場合
・目に見えて生え際・頭頂部のハゲが進んでしまっている
AGAの症状が進行している場合、フィナステリドで進行を食い止めても、すでに抜けてしまった毛を取り戻すことまではできません。
そこでフィナステリドとミノキシジルを併用し、AGAの進行を抑えつつ発毛を促すという治療が非常に有効的です。
AGA治療薬はインターネット通販で購入するべきか
最近はフィナステリドやミノキシジルなどのAGA治療薬を販売しているサイトを見かけることがあります。
AGA治療薬をインターネットで購入するメリットとしてはいつでもどこでも注文できる便利さと価格の安さが挙げられます。
しかし、安さだけに囚われるのは危険です。クリニックで処方してもらえばまず偽物や粗悪品を渡されることはありませんが、インターネットで治療薬を購入する場合、注文したものが正規品であるか届くまでわからない、また、届いても判断しづらいという大きなデメリットがあります。
個人輸入は完全に自己責任であり、仮に偽物・粗悪品の治療薬を使ったことで予期せぬ副作用があらわれても、誰にも責任を問うことはできません。特に副作用の強いミノキシジルタブレットについては通販での購入は避け、必ず専門の医療機関で処方してもらいましょう。
どうしても通販サイトを利用しなければならない場合は、信頼できる個人輸入代行者を選び、副作用のリスクが少ないものから購入を始めることが大切です。
AGA治療薬の1カ月あたりの料金目安
AGAの治療薬は医療保険の適用外なので、各医療機関によって価格が設定されています。
とはいえ相場は存在しますが、正確な金額を知りたい場合は、企業のホームページに訪れたり、医療機関へ電話したりして確認すると良いでしょう。
治療薬 | フィナステリド(プロペシア) | デュタステリド(ザガーロ) | ミノキシジル(リアップ) | |
---|---|---|---|---|
料金 |
1カ月(30錠) 7,000円~10,000円程度 |
1カ月(30錠) 9,000円~10,000円程度 |
1カ月(1本) 3,000円~7,000円 |
AGA治療薬でジェネリック医薬品が販売されているのはフィナステリド配合の医薬品のみです。これを利用すれば1カ月あたり3,000~4,000円程度に抑えることができます。少しでも安く治療を済ませたい方は検討してみてはいかがでしょうか。
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AGA治療薬の副作用について
ずっと使い続けることになる治療薬の副作用が気にならないという方はいないと思います。
ここでは各成分の副作用について解説します。
異変を感じたらすぐに使用をやめ、処方してもらった医療機関に相談しましょう。
1.フィナステリド・デュタステリドの副作用
フィナステリド・デュタステリドの副作用の共通点として「性欲減退」や「勃起機能不全」などの性機能障害や肝機能障害、抑うつ症状が挙げられます。フィナステリドの副作用発症率は極めて低い(4%)とされていますが、デュタステリドの方がフィナステリドよりも効果が強力なだけに副作用もあらわれやすい(17%)ようです。
フィナステリド・デュタステリドは触れただけでも皮膚から吸収されてしまうので注意が必要です。女性や子どもには使用しないでください。妊婦さんの場合は胎児への影響も考えられます。
服用中は妊活を控え、どうしてもという場合は、3カ月ほど期間を空けて成分が完全に抜けてから始めましょう。
2.ミノキシジルの副作用
ミノキシジル外用薬の副作用は使い始めてすぐにかゆみや発疹、フケといった症状が出るので分かりやすいでしょう。
発症率は10%未満なので、あまり気にするほどではありません。
また、外用薬よりミノキシジルの含有量が多いミノキシジルタブレットなどの内服薬がありますが、これらは日本だけでなく海外でも育毛剤として認可している国はありません。外用薬より発毛効果が高いぶん、副作用が出る可能性も高いことがわかっているためです。
内服薬の副作用としては、動悸やめまい、倦怠感(けんたいかん)といった低血圧の症状のほか、頭皮以外の体毛が濃くなる多毛症や、皮脂の分泌が増えることが原因でニキビや肌荒れなどの症状が挙げられます。
おわりに
ミノキシジルを服用している期間は高い発毛効果が期待できますが、服用を止めてしまうと、薄毛の状態に戻ってしまうことがあります。「もう大丈夫かな」と思っても、それはミノキシジルの発毛効果によってキープされている状態です。そのため、AGA治療薬の服用は長期的に続ける必要があります。
また、フィナステリドについても同様です。使用を止めてしまうと、再び薄毛が進行してしまう可能性がとても高いといえます。フィナステリドはAGA治療薬ではありますが、DHTの生成を抑えるものであり、原因が無くなるわけではないため、使用を止めれば再び薄毛が進行してしまうこともあるのです。
AGAは完治することはありませんが、効果がないというわけではありません。
治療を続けることによって現状を維持し、頭皮を髪が育ちやすい環境に変えてゆくことに意味があるのです。
クリニックによって、取り扱っている治療薬の値段や種類に差があります。長期的な付き合いになるので、薬以外の治療方法も比べて、信頼できる医療機関を探しましょう。